二十四節気 24seasons

人はかつて、太陽の位置で時刻を計り、月の満ち欠けで日にちを読み、星を見て自分の立つ位置を知りました。

天・地・人の互いの理を自ら学んで、人は自然とともに生き、季節の巡りを暮らしのよすがとしてきました。

そうした移りゆく時の流れの指標が四季・二十四節気・七十二候という生活のための暦だったのです。

 

二十四節気が生まれたのは古代中国。

月の運行をもとにした太陰暦による季節のズレを直すために、太陽の動きをもとに一年を二十四等分に区切り、それぞれに季節の特徴を表わす名前を付けたことに始まります。

日本へは七世紀に暦とともに伝わり、太陰暦と二十四節気を合わせた太陰太陽暦が使われました。

日本の気候風土に合わせて用いられた日本の二十四節気は、豊かな自然に恵まれた日本人の繊細な感覚をさらに磨き上げる役割を果たしていきます。

 

何十億年の昔から、地球は自ら回りながら太陽の周りを公転し、月も同じように地球の周りを回っています。

この宇宙の法則を尊重し、調和させているのが、太陽と月の双方の運行を取り入れた二十四節気・七十二候という生活暦です。

 

彩り豊かな日本の風土と、そこに住む人々が穏やかに調和して生きる美しい時の流れを感じてみませんか?


万物が「発る」 草木の芽が「張る」 田畑を「墾る」 気候が「晴る」

春は昼が長く夜が短くなり、一年中で最も陽気がよく、植物の発育期にあたる季節

立春 りっしゅん

 

暦の上での春の始まり

梅の花が咲き春の気配を感じ始める頃

雨水 うすい

 

雪や霰のかわりに雨が降って

氷や霜が溶けて水になる頃

啓蟄 けいちつ

 

冬ごもりしていた虫たちが動きだし

日の光の中に春を強く感じ始める頃


春分 しゅんぶん

 

昼と夜の長さが等しくなり

寒さもようやくやわらぐ頃

清明 せいめい

 

万物が芽吹いて清らかに晴れわたり

百花が咲き競う頃

穀雨 こくう

 

けむるように降る春の雨が百穀を潤し

日差しが強まってくる頃


陽気が「暑(あつ)」 植物が「生る」 「熱(ねつ)」のような気候

夏は最も昼が長く暑い季節で、草木が生い茂る時期

 

立夏 りっか

 

山野は新緑に彩られ 風さわやかに

陽はまぶしく 夏来たる頃

小満 しょうまん

 

惑いがちな春の気も落ち着き

光の季節を迎え 草木が生い茂る頃

芒種 ぼうしゅ

 

梅の実が色づき始め

田植えが盛んになる 梅雨入りの頃


夏至 げし

 

一年で最も昼が長く

梅雨のやさしい雨が似合う花の咲く頃

小暑 しょうしょ

 

梅雨明け近く

暑さ日増しに激しく 蝉が鳴く頃

大暑 たいしょ

 

厳しい暑さの到来

大地は潤い 入道雲が浮かぶ頃


稲が成熟する「黄熟(あかり)」 収穫が「飽き満ちる」 草木の葉が「紅く」なる時期

秋は昼が短く夜が長く、五穀や果実が実り、やがて木々は葉を落とし、草木が枯れ、冬へと向かう季節 

 

立秋 りっしゅん

 

残暑なお厳しくとも

雲の色や風の音に秋の気配が立つ頃

処暑 しょうしょ

 

暑さは峠を越えて

秋の虫が鳴き 朝夕しのぎやすくなる頃

白露 はくろ

 

嵐が野の草を吹き分け
草花に朝露が白く光る頃


秋分 しゅうぶん

 

秋の彼岸

暑さもおさまり実りの秋を迎える頃

寒露 かんろ

 

野草に冷たい露が宿り

虫の音が止み 晩秋の色彩が深まる頃

霜降 そうこう

 

紅葉の便りが届き

北風の冷気に霜が降り始める頃


気候が「冷ゆ」 寒さが威力を「振るう」 寒さに「震るう」時期

冬は、一年中で最も寒い季節 

 

立冬 りっとう

 

北国からは初雪の便りが届き

日暮れが早くなり 時雨が降る頃

小雪 しょうせつ

 

寒さはまだ厳しくないものの

北風が木の葉を払い 初雪が舞う頃

大雪 たいせつ

 

北風が吹きすさび

北国は雪をまとって冬姿になる頃


冬至 とうじ

 

一年中で夜が最も長くなる極点

冬将軍が本格的に訪れ始める頃

 

小寒 しょうかん

 

寒の入り

冷え冷えとした寒気に身を切られる頃

大寒 だいかん

 

いよいよ寒さの絶頂期

極寒の辛苦にさいなまれる頃


一年を4つに分けた「四季」と 24に分けた「二十四節気」から「季節」という言葉が

一年を24に分けた「二十四節気」と 72に分けた「七十二候」から「気候」という言葉が生まれました。

 

日本人の心と体に合った旧暦暮らし。今日から初めてみませんか?